BACKGROUND
社会背景
CURRENT STATUS AND ISSUES
保育に関する社会の
現状と課題
- 3つの施設の違い・
メリット - 保育所・幼稚園
ニーズの試算 - コロナ禍による
出生数の減少 - 保育所・幼稚園ニーズの
試算からの未来予測 - 保育所・幼稚園・
認定こども園の数 - 保育園選びの
ポイント - 保育施設
設立の目的
FEATURES
3つの施設の違い・メリット
保育所、幼稚園の機能を併せ持ち、必要な子育て支援を行う施設として、
2006年に認定こども園が誕生しました。
保育所
厚生労働省
対象
保育を必要とする0歳から就学前までの子ども
目的
保育(養護と教育)
特徴
- 保育子どもの生活リズムに沿った保育を提供するとともに、保護者への子育て支援も行う。
- 原則として日曜、祝祭日以外の長期の休みがなく、保護者の就業に応じて土曜日や長時間保育を受けられる。
認定こども園
内閣府/厚生労働省・文部科学省
対象
0歳から就学前までの子ども
(保護者の就労の有無に関わらず)
目的
保育(養護と教育)と幼児教育
特徴
- 保育所型でも学校教育法に基づく教育を受けられ、幼稚園型でも長時間保育が受けられるため、施設の選択肢が増える
- 開園日数は入所児童の状況に応じて施設で決定するが、保護者の就労状況の変更や年少から幼児教育を受けさせたい場合に、転園・退園する必要なく通いなれた園で教育・保育を受けられる
幼稚園
文部科学省
対象
3歳から就学前までの子ども
目的
幼児教育
特徴
- 施設での教育と家庭での子育てがバランスよく行える
- それぞれの園ごとに特色があり、保護者が入園する園を選択できる。夏休み・冬休み等の長期休みがあるが、幼稚園によってはその期間中も預かり保育等を受けられる
広がっています。
NEEDS
保育所・幼稚園ニーズの試算
子どもの数が減り、女性の就業率が高まることで、
幼稚園ニーズは激減すると予想されています。
保育所・幼稚園ニーズ:3〜5歳児(保育所)
出典:株式会社日本総合研究所
『2040年までの保育ニーズの将来展望と対応の在り方(平成29年)』
保育所・幼稚園ニーズ:全体
出典:株式会社日本総合研究所
『2040年までの保育ニーズの将来展望と対応の在り方(平成29年)』
「保育所」の存在価値は高まると予測されます。
COVID19
コロナ禍による出生数の減少
コロナ禍の影響を受け、2021年の出生数は前年比▲7.5%の78.4万人まで落ち込む見込み。
これは2019年の合計特殊出生率(TFR)1.36が続いた場合の
2030年頃の出生数に相当する数字です。
出生数および合計特殊出生率の年次推移
厚生労働省人口動態調査より作成
新型コロナウイルスの妊婦や
胎児への影響が不透明、
出産時の立ち会いができない
といった理由で妊娠を控えた。
月別、妊娠届け出数の推移
(資料)厚生労働省「令和2年度の妊娠届出数の状況について」(注)日本人のみ
コロナ流行前に第2子などを
希望していた母親のうち、
約3割が感染拡大で
妊娠を延期したり諦めた。
わが国の出生数の将来推計(TFR別)
(資料)厚生労働省「人口動態調査」、社人研「将来人口推計」
20年度の婚姻数が
19年度と比べて16.1%減少。
婚姻先送りも少子化を
加速させた。
子どもの人口は早いスピードで減少していきます。
PROBLEM01
コロナ禍による
定員割れ保育所の増加
横浜市では認可保育所など886園のうち半数以上の475園で「定員割れ」が発生しています。
感染症を心配した保護者の「申請控え」、リモートワーク導入や復職時期をコロナの状況を見て対応する
企業の増加などにより、保育ニーズが変化したことから、育休延長の傾向が強まったと推測されています。
保育所※の定員割れの割合(いずれも4月1日付)
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|
全体の施設数 | 794園 | 834園 | 876園 | 886園 |
定員割れ施設数 | 312園 | 388園 | 437園 | 475園 |
定員割れの割合 | 40.2% | 46.5% | 49.9% | 53.6% |
2018年 | 2019年 | |
---|---|---|
全体の施設数 | 794園 | 834園 |
定員割れ施設数 | 312園 | 388園 |
定員割れの割合 | 40.2% | 46.5% |
2020年 | 2021年 | |
全体の施設数 | 876園 | 886園 |
定員割れ施設数 | 437園 | 475園 |
定員割れの割合 | 49.9% | 53.6% |
保育所の利用児童数の今後の見込み
出典:厚生労働省子ども家庭局保育課
利用児童数は
減少方向へ向かっていると予想されます。
PROBLEM02
コロナ禍による
保育所入園倍率の変化
東京23区と首都圏政令指定都市の6割の自治体で、
4月の認可保育所の募集枠に対する入所申込倍率が1倍を切りました。
認可保育所の4月時点の倍率
2021年4月 | 2020年4月 | |
---|---|---|
世田谷区 | 1.55倍 | 1.64倍 |
品川 | 1.32倍 | 1.41倍 |
江戸川 | 1.29倍 | 1.31倍 |
台東 | 1.26倍 | 1.41倍 |
練馬 | 1.16倍 | 1.31倍 |
墨田 | 1.08倍 | 1.06倍 |
大田 | 1.06倍 | 1.21倍 |
中央 | 1.05倍 | 1.31倍 |
板橋 | 0.98倍 | 1.11倍 |
杉並 | 0.98倍 | 1.06倍 |
渋谷 | 0.95倍 | 1.13倍 |
江東 | 0.94倍 | 0.97倍 |
新宿 | 0.90倍 | 1.01倍 |
北 | 0.90倍 | 1.02倍 |
荒川 | 0.90倍 | 1.00倍 |
※グラフは一部抜粋※各自治体が回答した申込者数と募集枠から算出。
千葉市は募集枠を集計していないため算出できない。
出典:日本経済新聞社 2021年3月17日記事
「保育所倍率1倍未満6割 23区・首都圏4政令市
募集枠拡大コロナで入所控え 世田谷は依然激戦区」
一方で都心への交通の便が良く、
若年層に人気の世田谷区の倍率は1.55倍。
27区市で最も高い。
2歳児(2.45倍)、4歳児(2.31倍)など
保育ニーズの高い年齢の子どもを預けるのは難しい状況が続いている。
二極化が進んでいます。
PREDICTION
保育所・幼稚園ニーズの
試算からの未来予測
少子高齢化が進む日本。すでに出生数の減少は始まっており、
今後も5歳未満の減少は続くと予想されています。
01
保育所ニーズは
自治体により二極化
コロナ禍により、保育所ニーズが激変。定員割れする保育所が増加している一方で、依然として高い入所申込倍率を維持する自治体もあり、二極化が進む。
02
幼稚園ニーズは
激減
子どもの数が減り、女性の就業率が高まることで、幼稚園ニーズは激減。最大※1のケースでは、ほぼ半減(2015年実績151万人→2040年64万人)最小※2のケースでは、4分の3以上減(2015年実績151万人→2040年35万人)
03
保育所と幼稚園を
あわせた保育ニーズ全体
最大※1では、約10%増
(2015年実績385万人→2040年422万人)
最小※2では、約15%減
(2015年実績385万人→2040年327万人)
※1.出生高位・就業高位、※2.出生中位・就業中位
今後減少していくことが予測されています。
NUMBER
保育所・幼稚園・
認定こども園の数
子ども・子育て支援新制度施行後、保育所・認定こども園数は上昇傾向
幼稚園数は下降傾向です。
出典:文部科学省『幼児教育の現状について(令和2年)』
「施設が選ばれる時代」に突入しています。
POINT
保育園選びのポイント
子育て世帯は、様々な観点から比較・検討し、
我が子の日常を託す施設を選んでいます。
出典:小学館集英社プロダクション『入園準備に関するアンケート調査(令和元年)』
理念や雰囲気など、
本質的な要素も加味して、
保育施設を選んでいます。
PURPOSE
保育施設設立の目的
社会的背景
- 出生率の低下
- 定員割れの保育所の増加
- 地域によって変わる保育ニーズの二極化
社会の動き
- 幼保園など保育施設の選択肢の増加
- 利用者が保育環境を選べる状況
物理的、金銭的要素だけでなく、理念や雰囲気など、
本質的な要素も加味して、保育施設を選べる時代に。